まるぶれ

水族館が好きでよくいます。EOS Kiss M使用。Netflixで映画を観ます。

「AI vs 教科書が読めない子どもたち」を読みました。

 

こんばんは。

とりいです。

 

Amazonの欲しいものリストに眠っていた「AI vs 教科書が読めない子どもたち」を購入しました。

本日「AI vs 教科書が読めない子どもたち」を読了しました。

 

 

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本書の要点

  1. 本当の意味でのAI(人工知能)はまだ存在しない。したがって、シンギュラリティ(技術的特異点)が近いうちに起こることはありえない。
  2. AIは今後、既存のホワイトカラーが担っている仕事を代替する存在になる。
  3. 現在の学生は暗記や計算を得意としているが、基本的な読解力に欠けている。暗記や計算はAIの得意分野であり、このままだと彼らの仕事はAIに代替されてしまう。
  4. 教育の在り方を見直し、読解力を基盤とした、柔軟性を養うプログラムにする必要がある。そうしなければ、AI大恐慌という最悪のシナリオを迎えることになる。

「AIの限界」について

AIは、数字で表現できる仕事を効率よくやることに関しては、人間より圧倒的に優れているため、多くの仕事を奪っていくだろう。

大学入試に関しても、人間の受験者の平均よりはるかにレベルが高いMARCHに合格できるレベルまで進化を遂げた。

しかし、東大の入試を解けるようになるには、大きな壁がある。国語と英語では「問題の意味」をとらえることがコンピューターにとっては、難しい。

 

AIは「決められた条件や目標に対して、最も効率的な判断をする」ことはできても、目標そのものを設定することはできない。

「良い政治」というものを数値化できれば、AIは素晴らしい仕事ができるが、「理想的な政治」なのかは人それぞれになる。また、人の幸福度は数値化できない。

 

「教科書が読めない子どもたち」について

著者は大学教員の多くが、学生の学力の質の低下を感じている、というのを受けて「大学生数学基本調査」を行っている。「勉強ができない」よりも「論理的な会話ができない、設問の意図と回答があまりにもずれている」という点に、危機意識を持った。

ある商品のレビューについても、間違った解釈の批判、趣旨とずれた解釈が多々あることに気付いている人も多いと思う。

 

読解力を上げるにはどうすればいいのかと、著者たちは子どもたちの一日当たりの読書の時間やスマートフォンの使用時間など、さまざまな仮説を立てて統計をとってみたものの、差は見つからなかった。調査結果に基づいて、先生が「子供たちは教科書を読めていない」ということを意識して授業を行うことによって、成績の向上がみられたという例を紹介している。

 

感想

読了して、私は満足でした。

現状のAIの限界、学生の読解力等について、わかりやすく書かれていました。

「AIの限界」よりも「教科書が読めない子どもたち」のインパクトが強かったです。問題例を実際に解いてみると、少し迷ってしまう問題もありましたが、不正解にはなりませんでした。このような問題の中の語彙を読み飛ばすことで、間違ってしまう子どもたちは教科書が読めないことは確かにと感じました。

読解力を上げることの相関性について、1日あたりの読書の時間やスマートフォンの使用時間と関係ないことは正直落ち込みました。

私としても読解力を上げるために多読、読書をする意図がありました。確かによく考えると精読にこそ相関の可能性はありますね。